新唐人日本2011年5月8日付ニュース】今年湧きおこったアラブ世界の民主化デモは、社会の底辺と中産階級の運動だと言われます。欧米では、政府に対し反骨心を持つ中産階級こそが自由、民主を打ち立てる、重要なカギになるととらえています。では、中国の中産階級は、民主化運動の主力になれるのでしょうか。専門家の声をお聴きください。
最近、ドイツのある日刊紙が「消費者は造反しない」と題する文章を掲載。中国の中産階級は急速に拡大しているものの、欧米の中産階級とは違い、豊かさに満足するだけで、政治的要求には欠けていると分析しました。
中国の集団抗議事件は、財産のはく奪、環境危機、物価上昇、給料問題などで苦しむ、農民や出稼ぎ労働者が主で、都市の中産階級は少ないとも指摘。そこで中国の中産階級が目指すものは何かが注目を浴びています。
中国問題に詳しい程暁農さんは、中国の中産階級の成り立ちは欧米とは違うと指摘。
中国問題専門家 程暁農さん:「今日の中国では中産階級は主に2つ。共産党の幹部と共産党を頼りに商売する人。彼らは富をなすとまず共産党入党を目指します。次に政治協商会議委員、全人代の代表です。共産党の一部になるのを目指します。そんな人たちが民主自由に関心を持つとでも?道理からいえば中国の中産階級は共産党が育てました」
さらに、中国の知識人の多くも共産党に依存して生活していると指摘します。
中国問題専門家 程暁農さん:「中国の知識人で政府を批判する人がいますか。ごく少数は自分の意見を持つものの弾圧されるか、批判されます。あるいは追放されます。だから今 知識人は中国で役目を果たしていません。基本的に共産党に依存して生活しています」
中国当局は、現在、中国の中産階級は総人口の23%前後だと発表。しかしこの数字に、疑問の声が上がっています。
杭州・民主法律顧問 陳樹慶さん:「中国のホワイトカラーは大多数は官公庁を除き、特に民間企業の従業員、管理職も含めて。見た目は中産階級のようですが。実際 中産階級と呼べるほど資産がありません。借金が多く危機感も強いです」
“消費者は造反しない“の文章では、仕事、マイホーム、結婚、両親の世話に明け暮れる中産階級に、国の開放を期待するのは酷だと分析。
官公庁や公的機関の職員など、体制に依存している中産階級は民主や法治、人権などを真に望んではいない、と法律顧問の陳樹慶さんは分析します。スローガンを叫ぶのは、単なる憂さ晴らしに過ぎないというのです。
では、なぜ中国と欧米で、中産階級がこれほど違うのでしょうか。
専門家がそろって指摘するのは、共産党による洗脳と強権政治です。これまでずっと、中国共産党は、恐怖とウソの政権によって維持してきたと指摘します。
中国の中産階級が最終的に、アラブ国家のような民主化運動の核となる中産階級に成長できるのかについて、程暁農さんは、まだ中国ではその時機が熟していないと分析します。
法律顧問の陳さんは、中国の中産階級もいつかは、1人1人の幸せや権利、尊厳にとって、社会制度がどれほど大切なのかに気付くはずだと発言。その時、彼らも民主化運動の核となると結びました。
新唐人テレビがお伝えしました。